2003年夏、筆者はある研究プロジェクトの調査助手として、初めて中国江西省と福建省の省境を訪れた。観光や語学留学を除けば、中国本土における初めてのフィールドワークであった。筆者は、まず江西省南部の贛州市を訪れ、同市の市内、南部、北部をまわり、東部の瑞金市(共産党革命の発祥地として知られる)を通って、隣接する福建省龍岩市に出た(地図を参照)。その一年後、筆者は、贛州市および龍岩市と隣接する、広東省梅州市を訪れた。梅州市で短期のフィールドワークをおこなった後、贛州市で「世界客家大会」と呼ばれる大きな大会があるというので、贛州市を再訪した。