人類の生活、食事や住居、地方の年中行事には、すべて規律と変化がある。これら規律と変化といったものもまた、学術研究の対象となる。過去に発生した事柄は、歴史の範疇に於いて論理的にまとめられる一方、現在の事象に関しては人類学者の関心領域に属して進められる。しかしながら、人々がどのように生活するのか、といった問題は決して学問の境界線に沿って展開されるわけではない。多くの場合、社会というのは時代に沿っているため、歴史と現在というのは我々の学問分野だけに留まる。時間と空間といった二つの軸で二つの学問を分けた場合、歴史学者は主に時間軸における社会問題に注目し、人類学者は空間軸における社会、文化差異に着目する。さらに、時間の流れというのは人の意思に反して進んでいくものである。人類学者が研究を展開していくに従い、その研究対象は自然と時間の流れに沿って歴史の舞台に入り込む。その時、両者の間はどのように分類されるのか?